これから、気球ツアーに参加する。
5:50にホテルのロビー集合だが、外はまだ真っ暗だ。
さすがに内陸部は寒そうなので、ダウンのコート+貼るカイロ+ヒートテックの完全武装で臨む。結局、数日後日本に着いた時の成田の方が寒かったんだけど。
時間通り、気球会社の人がワゴン車で拾いに来た。これ、通常のツアーとは別会社なのだ。俺を乗せたあと、2カ所のホテルに寄って気球乗り場へ。
ちなみに俺以外の客は全員外国人。今回はトルコ人も多く、国内旅行としてもメジャーなスポットのようだ。
今回の気球ツアーは、大体一時間ぐらいで一人130ユーロ。同様のツアーに比べると若干安いが、やっぱり高いよな。
同じ気球に乗った参加者に、4人家族が居た。4人てことは1時間で520ユーロ。すごいなぁ。
さて、夜明け前の奇岩の影に囲まれた気球乗り場(と言ってもただの広場だが)に着くと、地面にカラフルな布状の物が広がっている。気球の風船部分だ。これから空気を入れるらしい。

ということでバルーンが開くまで、紅茶タイム。
テーブルが用意されていて、簡単なお菓子(ミニケーキとかクッキー)と紅茶、コーヒーをセルフでもらえる。冬の早朝は寒いので紅茶はうれしい。

その間、我々が乗ることになる横倒しのカゴからバルーンに熱風を入れ続ける。

途中、バーナーから強烈な火を入れたりして、徐々に気球がふくらんでいく。期待もふくらむ。燃えるんじゃないかという不安もふくらむ。
そしてだんだん夜も白んできた。
バルーンがある程度までふくらんだら、ようやくカゴを縦にして、引き続き火を入れる。
その状態になってようやく箱の中に人が乗り込む。数えてみると、全部で22人。
全員が乗ると運転手の説明が始まり、着地時のポーズの練習をする。
気球が降りるときはカゴの中の綱につかまり、身をかがめる。できるだけ重心を下げるということだろうか。
練習が終わってしばらくすると、気球は少しずつ上昇していく。時折、ボー!っと音が鳴って火が入る。上部は暖かいが、足下は冷たい。そして夏は多分相当熱い。
似たような気球ツアーはいくつもあって、周りの気球も少しずつ浮き上がっていく。

そのまま、奇岩地帯をふわふわ飛んでいく。割と高いところまで上がっていくが、荒野と奇岩しかないのでまだそれほど怖くはない。

やがて気球はどこへともなくふわふわと進んでいく。
陽気な運転手がトルコ語でしゃべくりまくっているが、さっぱりわからない。
時々気を遣って英語でしゃべくりまくるが、やっぱりわからない。


気球は徐々に高度を上げ、最終的にかなり高いところまで上がっていく。超絶景だが、さすがにだんだん怖くなってくる。

奇岩に当たるギリギリの所を、うまい具合にバーナーの火を入れたり消したりしながらすり抜けて、気球は進んでいく。実はこの手のツアー、ごくたまに事故るらしいので、スリリングだ。


▲キノコ兄弟

▲こんな谷を越えたりする
一時間ぐらい飛んでいただろうか。この世の終わりのような景色を一通り眺めた後、出発点と全く違う広場に降り始める。
明らかに木の切り株みたいなところに不安定に降りてカゴが傾き、若干不安になったが、そこは割と柔軟に再びふわふわと跳ねるように移動して着地点を変更していた。ちなみに最初にやった着地の練習は特に生かされることはなかった。
すぐにその地点にさっきのワゴン車が到着する。
やがてガスが止まり、バルーンが縮んでいく。

バルーンの中心近くにいたので、運転手に「You finish Baloon」みたいなことをいわれて、ひもの先端を渡された。バルーンの中心に繋がっているらしく、引っ張るとどんどんバルーンが縮んでいき、やがてしわしわになって広場に広がった。
カゴから降りるとまた簡易テーブルが登場。
参加者に一杯ずつシャンパンが振る舞われ、一人ずつ証明書が渡される。

この気球・シャンパン・証明書の組み合わせはどこのツアーも大体同じのようだ。
証明書をもらうと、せかされるように車に乗って同じ経路でホテルへ戻る。時刻は8時半。結構長い間外にいたようだ。
カッパドキアを回るツアーは30分後なので、急いで朝飯を食う。やっぱりパンがうまいなぁ。何なんだ。
あとはオムレツとかチーズが出てきた。
この国のチーズ、辛いソースに浸したりと何かしら手を加えるものが多い。羊のチーズが多いらしく、やや癖がある。