2013年05月30日

フィレンツェ3−2 ダンテの家【イタリア旅行記】

ヴェッキオ宮を出た我々は、一昨日から前を通っては(俺だけが)気になっていた「ダンテの家」に入る。

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ダンテ・アルギエーリは13世紀に生まれたイタリアを代表する詩人で、その著作『神曲』で知られている。
ダンテ本人が「地獄」「煉獄」「天国」を回るという物語だが、とりわけ地獄の描写が後世の文学作品に大きな影響を与えている。


イタリアにおけるダンテは我々が想像する以上で、Wikipediaによると
・そもそも『神曲』の文体がイタリア語の基礎になっている
・国民的詩人と呼ばれ、高等教育では全歌深く突き詰めて勉強する
・イタリアの2ユーロ硬貨の肖像になっている(ユーロ硬貨は各国デザインが違う)
・ミケランジェロ「最後の審判」、ロダン「考える人」は『神曲』地獄篇がモチーフ

などなど枚挙にいとまがない。

そんな大詩人ダンテの生まれ故郷にあるダンテの家。

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▲ダンテの系図

さぞ立派な博物館と思いきや、実際は大したものはなく、しょぼい博物館。
そもそもダンテの生家は破壊されたので、ここは跡地でしかない。

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▲地獄のイメージ。最下層コキュートスにいるのは、魔王ルチフェロ(ルシファー)

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▲煉獄

煉獄は、永遠に苦しむ地獄と違って、罪を浄化しつつ上に上がって天国に近づくシステムらしい

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▲天国

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▲『神曲』。三途の川の渡し守カロンの挿絵は、19世紀のギュスターヴ・ドレの版画。

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▲ロダン「地獄の門」。上にいるのが「考える人」

お土産はダンテTシャツとか、微妙なものばかり。
ダンテグッズじゃないだろう。神曲グッズなら欲しいのに。

ちなみに、『神曲』というタイトルは森鴎外が『即興詩人』の中で初めてつけた邦題で、元々ダンテがつけた原題は"Commedia"。なんと英語でComedy、「喜劇」だったらしい。

ダンテの死後かなり経ってからは『神聖喜劇』として出版されるようになった。

というわけで、『神曲』はあくまで邦題。英語もThe Divine Comedyで、『神聖喜劇』なのだ。
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フィレンツェ3−1 ベッキオ宮【イタリア旅行記】

今日はフィレンツェを出発して、最後の町ローマへ向かう日。
鉄道の予約は昼なので、午前中はフィレンツェ観光だ。

まずはホテルをチェックアウトして、朝も早よからウフィツィ美術館の隣の建物へ。
ここがヴェッキオ宮殿。オープンと同時に入場した。

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▲500人大広間

ヴェッキオ宮殿の500人大広間では、ミケランジェロが「カスチーナの戦い」を、レオナルド・ダヴィンチが「アンギアーリの戦い」を、それぞれ反対側の壁に同時に壁画を描いていたという。

残念ながらいずれの作品も未完に終わり、やがてミケランジェロの絵は破壊され、未完ながらも高い評価を得ていたダヴィンチの「アンギアーリの戦い」も大広間の拡張の際にヴァザーリの新しい絵画によって上書きされた。

しかし、ヴァザーリの絵画に隠された「探せ、さすれば見つかる」という書き込みをヒントに、近年研究者たちがX線などを使って調査を進めた。その結果、ヴァザーリの壁画の裏が二重構造になっていることがわかり、今もなお「アンギアーリの戦い」が眠っていることが証明されたという。

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個人的にはヘラクレスの天井画が面白かった。
ギリシャ神話の英雄ヘラクレスの成し遂げた「十二の難行」をモチーフに描かれた9枚の絵が天井に並べられている。

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▲真ん中は、生まれたばかりのヘラクレスが蛇を握りつぶすシーン

ヘラクレスはゼウスの不貞の子のため、ギリシャ神話の例によって正妻ヘラから嫌がらせを受ける。ヘラの呪いによって発狂し、殺人を犯した罪を償うべくデルフォイの神託に従ってこなした10(最終的に+2で12)の難行が、結果的にヘラクレスを最強の英雄として世に知らしめることとなった。

ヘラクレス12の難行は以下の通り。
本来は10だが、失敗扱いが2つあるので12の難行となる。

1.ネメアの不死身のライオン退治
2.レメアの九頭の毒蛇ヒュドラ退治(失敗扱い)
3.ケリュネイアの黄金角の鹿狩り
4.エリュマントスの猪狩り
5.アウゲイアスの家畜小屋の糞掃除(失敗扱い)
6.ステュムパリデスの鳥退治
7.クレタ島の牡牛捕獲
8.トラキアの人喰い牝馬捕獲
9.アマゾンの女王ヒッポリュテの腰帯の取得
10.三頭の怪物ゲリュオンの牛捕獲
11.ヘスペリデスの黄金のリンゴ取得
12.地獄の番犬ケルベロスの捕獲

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ベッキオ宮を出てしばらく歩いていると出遭ったイノシシの像。
下半身がセクシー。

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鼻をなでると、フィレンツェに戻ってこれるという、どこかで聞いたような伝説がある。
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2013年05月26日

フィレンツェ2−6 ビステッカ 【イタリア旅行記】

実は昨日来ようとしていていて断念した、オステリア・デ・ベンチ。
これが今日のディナー会場だ。
いつも通り?開店とほぼ同時に入店。

フィレンツェの名物料理は色々あるが、豪華さという点ではビステッカ・アッラ・フィオレンティーナが一番だろう。
キアーナ牛と呼ばれるブランド牛を使ったTボーンステーキである。
「ビステッカ」は英語の「ビーフステーキ」から来ているらしい。日本の「ビフテキ」みたいだ。

まずは前菜、プロシュート(生ハム)。
薄切りの生ハムは柔らかくて、とても美味しい。

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続いてルーコラのサラダ。
ルーコラ好きの俺にはたまらない。

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そしてこれがビステッカ。
なんと注文は1kg〜である。が、骨が入っているので、可食部はそこまで多くない。

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日本とは違い、赤身の肉を使う。

巨大な肉塊をギザギザのナイフで切り取り、口の中にほおばる。
表面はカリカリだが、中はピンク色のレア。しかし確実に火は通っていて、温かい。
噛みしめると、何とも言えない赤身の肉の味が広がる。肉だ。油でも脂でもない、肉の味だ。

これがもう、絶品だった。塩加減、焼き加減、この上ない。
日本では中々出てこないタイプの肉だ。

嫁もこの旅で一番美味しかったと言っていた。
わざわざ来た甲斐があったというものだ。

意外と食べられそうだったので、シメに「酔っぱらいパスタ」を注文。
パスタは本来は前菜だが、シメに炭水化物を注文するのがさすが日本人だ。
というか、メニューを見てどうしても気になっていただけなのだが。

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何が酔っぱらいかって、なんと赤ワインで茹でるらしい。
すっぱいがクセになる味わいだった。

デザートを食べなかったので、出がけにレストランの店員さんに近場のジェラート屋を教えてもらう。
ジェラテリーア・デイ・ネーリ。

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イチゴとヨーグルトのジェラート。大変美味しかった。

ジェラートと日本のアイスクリームの違いは、食感と味の濃さ、そして油脂の量。
空気の含有量が少ないためねっとり感があり、乳脂肪分が少ないのでカロリーが少ない。

空気や脂肪分は味をまろやかにする反面元の味をぼやかしてしまうので、ジェラートは味が濃く、かつあっさり食べられるのだろう。

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▲ホテルの外観
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